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花粉症ですか?

現在、日本人の約40%がスギ花粉症だといわれています。

余談ですが、日本で最初に「アレルギー」という言葉を使い、

その概念を唱えたのは、1970年前後に群馬大学小児科に在任していた

松村龍男教授です。

さて、以前「花粉の少ないスギに植え替えて、花粉の飛散量を減らそう」

という話が、世間を騒がせたことがありました。

しかし、その後一向に”成果報告”がないことを

疑問に思ったことはありませんか?

そもそも、日本には本来多くの種類の樹木があるのに、

その大半をスギが占めているのか?

これは、戦後の植林選択の失敗にあるといっても良いかもしれません。

荒廃した土地に緑を取り戻そう、住宅のための木材を確保しよう、

という考えから選ばれたのが、

世話の手間が少なく、成長の早いスギでした。

しかし、現在、材木資源として利用可能な46~55年目のスギが、

盛んに切り出されているわけではありません。

その背景の一つに、国内資源の高騰化があります。

値の張る国内産よりも、

価格の安い輸入ものを利用することが多くなった結果、

スギ林は放置されて、花粉だけが大量に飛ぶのです。

ちなみに、花粉の少ない種類に植え替えるためには、

約700年掛かるといわれています。